投資にはいろいろな種類がありますが、ビットコインをはじめとする仮想通貨を考える人も多いでしょう。ブロックチェーン技術に生み出された代表的な仮想通貨のビットコインは、価格変動の度合い(ボラティリティー)が高く、儲けやすいといわれています。
実際、2020年末から2021年にかけてのビットコインの価格は上昇し、それによって大きな利益を上げた人がニュースにもなりましたから、注目した人も多かったのではないでしょうか。そんな仮想通貨ですが、仮想通貨もまた資金ですから、金利によってさらに利益を得るといった運用の仕方を考える人も多いのではないでしょうか。
日本の銀行では、長い間、ゼロ金利ともいわれる低金利が続いているため、預金をするメリットはほとんどない状況です。
しかし日本国内の銀行に比べると高金利のオフショア銀行で資金を管理すれば、金利による利益を得ることができます。金利のほかにも複数のメリットがあることから、海外口座の開設をする人が多くなっているといいます。
オフショア銀行とはタックスヘイブン(租税回避地)にある銀行のことです。オフショア銀行は外国から資金を集めることを目的とした銀行であり、預金者のほとんどは非居住者です。
預金者は海外口座を開設することになるため口座開設にあたっては手続き等の面倒はあるものの、日本より高金利であること、世界中のATMで利用することができるデビットカードが発行できるといった複数のメリットから、資金運用を考える人だけでなく、旅行や海外出張が多い人、留学を考えている人の利用も多くなっているようです。
そんなオフショア銀行のメリットを仮想通貨に対して利用できないかと考える人もいるでしょう。しかし結論からいえば、タックスヘイブンでの資産運用と仮想通貨の運用では意味が違うといえます。
円やドルなどの法定通貨の送金には銀行などを介さないとならず、手続きや手数料がかかります。しかし、仮想通貨は個人間でもやり取りが可能であり、銀行などを介さないため、手続きが簡単な上、手数料も小さくスピーディーな取引が可能です。
仮想通貨の取引を行うには仮想通貨取引所に口座を開設し、仮想通貨取引所を介して取引を行います。オフショア銀行の口座が投資ファンドへ投資といった様々な金融商品への投資が可能なのに対して、仮想通貨取引所の取引対象は、仮想通貨のみです。
そのためタックスヘイブンでの資産運用と仮想通貨の運用では意味が違うといえます。
しかし口座ごとの資金管理という点で仮想通貨とオフショア銀行を利用する人はいるようです。
仮想通貨とオフショア銀行を利用する場合は、仮想通貨をオフショア銀行の口座に送ってオフショア銀行にて管理をするということになりますが、このとき留意すべき点は、オフショア銀行の口座は、口座を維持するために手数料がかる場合があるということでしょう。
仮想通貨は小額からの取引が可能なのが特徴ですが、利益よりもオフショア銀行の口座維持の手数料の方が大きいということになると、損失になってしまいます。

またオフショア銀行の仮想通貨の対応についてもあらかじめ確認が必要です。仮想通貨はビットコイン、イーサリアム、リップル、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、ステラルーメン、イーサクラシック、ネムなどがありますが、オフショア銀行が対応しているのは主要な仮想通貨のみのため、仮想通貨とオフショア銀行を併用する場合はあらかじめ確認しておきましょう。
仮想通貨をオフショア銀行に送金してドルなどに交換し、その資金をより投資リスクの少ないヘッジファンドなどに投資するといった、投資先を変える目的のために仮想通貨とオフショア銀行を併用する人もいるようです。
ただし、仮想通貨の投資についてはわざわざオフショア銀行を利用するよりも仮想通貨取引所を利用した方がメリットが大きいといえます。