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【平松昭良の原点】図面も知らないSEが、製造業の現場に立った日

こんにちは、製造業DXプランナーの平松昭良です。

今回は、私がどのような道を通って今の仕事にたどり着いたのか、その出発点をお話ししたいと思います。製造業のDXを支援していると言うと、もともと工場で長く働いていたのですかと尋ねられることがよくあります。ですが、私のキャリアの入口は、実のところ現場ではありませんでした。むしろ、ものづくりとはまったく縁のない、システムをつくる側の世界が私の始まりでした。

平松昭良のキャリアはつくる側から始まった

私は情報系の専門学校を卒業したあと、独立系のシステムインテグレーター、いわゆるSIerにシステムエンジニアとして入社しました。最初に任された仕事は、製造業向けの生産管理システムの導入と保守です。

正直に申し上げると、入社した当時の私は、図面の読み方も、加工がどういうものなのかも、まったく知りませんでした。それでも仕事は容赦なく始まっていきます。客先常駐という形で、全国のさまざまな工場に入り込み、システムの導入作業や不具合への対応に追われる日々でした。今思えば、技術の知識だけを頼りに、知らない世界へ毎日通っていたようなものです。

工場という未知の世界に放り込まれて

はじめて本格的に現場へ入ったとき、私は静かなカルチャーショックを受けました。きれいに整理された設計書の世界とは違い、工場には独自のルールや、長年の経験によって回っている暗黙の段取りが無数に存在していたのです。

システムの画面の向こうには、必ず人がいます。そして、その人たちには、その人たちなりの仕事のやり方がある。文字にすればごく当たり前のことなのですが、エンジニアとして机に向かっているだけのときには、それがまるで見えていませんでした。納品した仕様書の中だけで世界が完結しているような錯覚に、私はしばらく気づけずにいたのです。

現場には現場の論理がある。この実感こそが、後に独立して伴走型のDX支援という道を選ぶ、いちばん深いところの原点になっています。机の上で正しいことと、現場で機能することは、必ずしも一致しない。その当たり前を、私は工場の床の上で教わりました。

なぜ平松昭良は製造業にこだわるのか

数ある業界のなかで、なぜ製造業なのかと問われることがあります。理由はとても単純で、私がエンジニアとして最初に向き合うことになった世界が、たまたま工場だったからです。

ですが、偶然から始まったこの関わりは、年を追うごとに使命感に近いものへと変わっていきました。ものづくりの現場には、まじめで誠実な方が本当に多くいらっしゃいます。日々黙々と手を動かし、品質を守り、納期を守る。そういう方々が、慣れない横文字や複雑なシステムを前にして、戸惑い立ち尽くしている姿を、私は何度も目にしてきました。

その距離を、少しでも縮めたいと思うようになったのです。技術の側と現場の側、その両方の言葉がわかる人間として、あいだに立って橋渡しをしたい。これが、私が製造業DXという仕事を選んだ、いつわらざる理由です。最初は知識ゼロで放り込まれた工場という世界に、今ではすっかり自分の居場所を感じています。

次回は、システムをつくる側にいた私が、なぜそこを離れることになったのか、その転機についてお話ししたいと思います。

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